自由研究やるのは何のため? ~宿題を出す側のホンネ
「自由研究」なんて、何だか季節はずれなタイトルに思われますが、
夏が短く、冬は雪に閉ざされる地域の多い北海道では
夏休みが短い代わりに冬休みは他の都府県より長く設定されています。
このため冬休みにも夏休み並みの学習課題を課す学校が多いのです。
そこで今日は、宿題を出すセンセの立場から
自由研究について書きたいと思います。
まずハッキリさせておきたいことですが
自由研究とは
「自由にテーマを決めて研究に取り組む」課題です。
決して「やる/やらないが自由」なわけではありませんので
間違えないように(笑)
上の点を確認したところで
多くの人から寄せられる「あの一言」に向き合ってみましょう。
ズバリこれ(↓)です。
「自由研究で何をやったらいいかわからないんですけど…」
「自由研究ではどんな事をやったらいいんでしょう?」
上のセリフ、身に覚えありますよね。
けど、ちょっと考えれば
自由研究 = 自由にテーマを決めて研究に取り組む事
なんだから、
何をやるかは自由だし
どんな事かは(できる範囲での)研究活動に決まってるんだけど
それでもこういう人が毎年後を絶たないわけです…。
で、もう少しくわしく聞いてみると、
「どうしていいかわからない」という意見の中身の多くは
・そもそも「自由な課題」という意味が理解できない
ということのように思えます。
「『自由』と言っておきながら宿題とはおかしいじゃないか」というわけです。
でも、上に書いたように
「自由研究 = 自由にテーマを決めて取り組む研究」
だと考えたらどうでしょう。
これってそんなにヘンなことでしょうか?
違う見方をすればこう言う意見もあるかもしれません。
「宿題なんだから何するか決まってないとやりにくい」
「『自由なテーマの宿題』なんて必要ないんじゃないか」って。
これはちょっとわかる気がします…。
では、なんでこんなややこしいものが必要なんでしょう?
以下に私の意見を書いておきます。
まず、義務教育というのは
保護者が子供に受けさせることを義務づけられている最低限の教育なので
(余談ですが「学校に通うこと」じゃなくて「子供に受けさせること」が義務なところがポイントです。つまり昨今話題の「給食費の意図的な未払い」というのは「子供を学校に行かせる」という義務の一部をサボっているわけだから、どんな言い訳をしても絶対に正当化できないことなのですね)
その中身は、社会で生活するための教養や技能が中心なはずです。
つまり学校では「役に立つ」はずの勉強をやっているのです。
じゃ、役に立つとはどういう事か?
たとえば、実際の世の中の問題というのが、
どういう形で自分に迫ってくるかを想像してみてください
・欲しいものを買うにはどうしても小遣いが足りない
・学習と部活動を両立するにはどうしたらいい
・好きな相手にどうやったら思いを伝えられるだろう
大人になってからだって同じようなことの連続です。
・仕事の効率を高めたり、売り上げを伸ばすにはどうしたらいい
・我が子にどのようなしつけをしたらいいのだろう
・地球の温暖化にどのように対処したらよいのか
…決まった解決方法も答えも無いような問題ばっかりじゃありませんか?
だから、自分で何にも考えないで、与えられた宿題ばっかりやってたら
こういうときに困るでしょ。
それで「自分で考えた課題に取り組む」経験をするために
自由研究がある…と私は理解しています。
自由研究の中には、こうした問題に対処する際の要点が
いろいろ含まれていますよ。
たとえば「自由にテーマを決める」というのがそうです。
さっきあげた中の
・欲しいものを買うにはどうしても小遣いが足りない
ということで説明してみましょう
この問題には、何通りかの違ったゴール(とその解決法)があることに気がついたでしょうか?
ア:欲しいものを買うためにお金を手に入れる
・小遣いアップの方法を考える
・アルバイトなど、他の方法でお金を手に入れる
イ:お金を手に入れる以外の手段をさがす
・今すぐ買うのではなく、目標額になるまで小遣いを貯める
・安く手に入れる方法(割引や中古品や懸賞など)をさがす
ウ:欲しいものを買うことを(ひとまず)あきらめる
・借りて済ます
・他のことで気を紛らす
まだまだ違った解決法もいろいろと考えられるとは思いますがが、
(例えば「欲しいもの」というのが、自分にとって
どの程度必要かによっても全然答えは違うでしょう)
一見ぼんやりとして、どこから手を付けていいかわからないような問題でも
中身を見直すことで、解決できそうな問題に置き換えることができるはずです。
このように、
ぼんやりした問題を解決できそうな問題になるまで詳しく絞り込む作業を
「テーマを決める」といいます。
もうちょっと見てみましょう。例えば、さっきあげたうちの一つです。
・小遣いアップの方法を考える
これでもまぁ悪くはないですが、もっと詳しく絞り込みが可能です
・小遣いアップを親が納得せざるをえないような交渉材料のそろえ方
なんていうのはどうでしょう。
このくらい詳しいテーマだと、以下にやるべき事は
もうほとんど自動的に決まってくるはずです
こうしてみると、
「環境問題について」なんていうテーマは
今の例とは反対に、自由研究としては壮大すぎるというか、
手のつけようのない「ぼんやりテーマ」の典型だと言うことがわかるでしょう。
このように、
自由研究にしっかり向き合うと、
ごく初歩的な現実の問題に対処する能力も身に付くのですよ(笑)
よく「学校の勉強は役に立たない」といわれてしまうけれど
多くのマジメな先生たちは、
一応は何とか、役立つ勉強の実現を目指しているんですよ…
(もちろんそれは自由研究に限った話ではないですが)
…というわけで
もし自由研究で悩んでる人がこれを読んでくれたなら
この話を参考に、次回はテーマの絞り込みに力を入れて
自分を成長させる、よりよい自由研究を目指してみてください。
自由研究関連の過去記事
・自由研究:何をやればいいか…は大まちがい!
http://nozomilk.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_026c.html
・自由研究のポイントは「自由」じゃなくて「研究」…?
http://nozomilk.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_f989.html
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